実戦 転職Q&A

30. 「競合他社へ転職禁止」の場合、どうすれば?

契約書、誓約書で「競合他社への転職禁止」という一文。
でも実際に転職するときになると、「同業界での転職経験」が
必須な会社は圧倒的。

この場合、この「転職禁止」を、どう考えたらいいでしょう?

【Q】 現職の会社の就業規則に「競合他社への転職禁止」を謳った条文がありますが、
実際の転職の時に、同業界への転職は難しいでしょうか?




【A】 就業規則、入社時の労働契約書、あるいは誓約書等で、
「競合他社への転職禁止」を従業員に求める企業があります。

これは、”競業阻止義務”と呼ばれるもので、情報漏洩を防ぐ、
顧客を奪われることを防ぐ・・・などが目的です。

質問は、「法的な拘束力があるのかどうか?」ということと、
「実際の運用はどうされているのか?」ということだと思います。

まず、憲法上では「職業選択の自由」が保障されているので、
それを制限するのは「公的良俗に反する」行為とされますので、
拘束力はないというのが一般的な見方です。

ではなぜそういう誓約書なり契約書があるのでしょう?
実際は、企業側も、上記のような拘束力がないということをふまえつつ、
「抑止効果」「牽制効果」を狙っているのです。

ですから、あまりナーバスになる必要性はありません。

しかし、転職先の競合企業で、前の会社で培った諸々のリソースを
使って、信義上や商習慣上、あきらかに問題のあるやり方などで、
前社に多大な不利益を被らせた場合には、損害賠償など法的手段を、
企業がとるケースもあるので、その点だけ留意すべきです。

特に、役員クラスや技術開発責任者など、企業上の重要機密を
知り得るポジションにいた方は、比較論としては、そのリスクが
高いということは認識しておいた方がよいと思います。

一方で、役職などに関係なく、一般社員も含めて、条件が揃えば
企業側の立場が指示され、法的にも競合企業への転職制限の
有効性が認められるケースもあります。
その条件とは、制限する期間、業種、職種、就労場所の妥当性と共に、
ポイントとなるのは「代償措置」があるかとうかです。

<代償措置>
つまりは制限する代わりに、企業が従業員へある一定の利益を供するもので
具体的には、退職金の積み増しや、秘密保持手当の支給となりますが、
この措置が行われていれば、有効性は高まります。

したがってこのような措置を受けたのにもかかわらず、反した行動を取った
場合には、退職金やその他一時金の返還などを覚悟しなくてはなりません。

以上が、一般的な事例ですが、実際の転職市場では、
「同業界必須」のような求人がほとんどです。

そのため、代償措置を受けたために競合他社への転職制限が
かかっている方は、かなり苦戦をされているのではないでしょうか?

目先のお金も非常に大事ですが、「代償措置」を受け、退職する方は、
慎重に考えましょう。

実際の運用は、企業によって異なります。
いわゆる「程度問題」の場合もあります。
「代償措置」を受取り、書面上では制限がかかっていたのに
在籍企業に相談し、許可をもらい、競合企業に円満転職した方も
いらっしゃいます。

ナイショにして、いつかばれてしまい、リスクが降ってくるのでは?
と、怯えて過ごすよりも、まずは正攻法を試みることをオススメします!

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